産まれて、終わるとき
伝えたい言葉もなく 手を放す
最後はいつでもひとり
羊水に浮かべた卵だけが かすかに香る
ゲノムに隠れた孤独の色
血を流しながら
忌まわしくも巡る 贖罪の証
終わって、始まるとき
最初はいつでもひとり
くぐり抜けた光の先の結末
答がおろすカーテンの内側
一人だけが知る雨の理由も
還る場所はただひとつ





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