やわらかな宴を君がつみとる
蒼い焔を硝子に灯して
終りなき宴の幕をあげた
さぁめしあがれ
鼓膜を揺らした愛しい声
カペラを映した銀皿のスープ
嘘で溢れた蜜を啜った
誘われるまま手と手をとる
赫い舌が揺れる、揺れる
媚薬に犯された脳が融けてく
濁っていく水晶体
屈折した水面のなかで
右手が孕んだ蜘蛛の巣が君の左に絡んでる
いつも永遠を欲するから閉じ込めた
舞ったテーブルクロスが微かに香る
泣きたくなるほどあまい洋梨の匂い
一日の終りをそれがもたらす
宴の巻く引きはいないというのに
それをやさしさとゆうのなら布で丸めて棄ててやる
黒に攫われた赤のように無はなにも産みはしない
僕のアイリス
愛しい君
目覚めた瞬間手をすり抜けた
狂おしいほどの懐かしさ
アイリス、
絡んだ糸を解くように、僕らの繋いだ手と手が切れる
世界は、きっと明白だ
サヨナラ、サヨナラ
僕が手放した僕の軌跡へ
< 06,7,4 >